棟上げ

いつの間にか、レストランの建設工事も着々と進み、
先日、棟上げが行われました。
中に入ったとき、無垢の木は、やはり気持ちがいいな、と改めて思いました。
国内の林業は斜陽化して久しいのですが、このような立派な樹を
育ている方たちが、日本建築を守っているのだと考えさせれました。
林業に限らず、斜陽化している産業の多くは、身体に悪い影響を
及ぼさない、むしろ、健康に良いものが多々あります。

例えば自然の木は、ホルムアルテヒドなどの毒性化学物質を吸収してくれます。
また、湿度調整をしてくれるので、カビなどが室内に出来難いのです。
これだけをとっても、ぜんそくやアレルギーで苦しんでいる人には大きな救いに
なります。
そして、建て始めたばかりのときにこのようなことを書くのもどうかと思いますが、
この建物もいつか役目を終え、解体されます。そのとき、無垢の木は産業廃棄物に
なりません。そのまま、土に還すことができます。燃やすこともできます。間違っても
ダイオキシンを発生することはありません。
このようなことを意識するようになったのは、レイチェル=カーソンの「沈黙の春」を
読んだのがきっかけです。カーソンの警告から50年、人類はいよいよ個人レベルで
いろんなことを自重しなければならない状況になってきた、のかもしれません。
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2008年06月28日
梅酵素をつくる 2

数日経った梅樽を開けてみました。
青梅が少しづつ変色しています。
?完全無農薬の梅、?摘み取るのは雨上がりの翌々日の早朝、というのが
私の梅酵素液づくりの条件なのですが、、
一般に、梅はこの時期の収穫までに3回程、農薬を散布されています。
しかし私は、自然界の酵母菌がびっしり付いた生命力の塊のような酵素液を
造りたいので、摘みたての梅を一切洗いません。洗えば、酵母菌も流されて
しまうからです。洗わないためには完全無農薬である必要があります。
しかし今回も、、完全無農薬の梅、しかも鴬宿梅、を確保するのはとても困難
なことでした。
そして、もし洗った梅で造れば、それは私の中では単なる「梅ジュース」に
過ぎないのです。
また雨が降った翌々日というのは、雨が降ると果実に付いている汚れは流れ、
雨上がりの翌日からまた酵母菌は付き始め、翌翌日の早朝は更に多くの酵母菌
で溢れます。そのタイミングで収穫するわけです。
そして、梅には様々な品種がありますが、?鴬宿梅という梅が果汁を出すには
最適品なのです。

さて、洗双糖による浸透圧によって果汁が溢れてきました。
浸透圧とは、濃度が低い(梅)方から高い(洗双糖)に水が移動して濃度を
均衡させようとする力、働きのことです。
この抽出された果汁だけなら、大して意味はないのですが、これに微生物である
酵母菌が加わるので発酵が生まれ、ミネラルの豊富な洗双糖で酵母菌は増殖し
更に発酵力は高まります。糖は酵素よって微アルコールとなり、この作用で梅果実
の様々な成分が抽出されるというのが、この梅樽の中の全体の仕組みです。
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2008年06月25日
梅酵素をつくる 1

昨日、梅畑に行き、もぎたての「梅酵素液」づくりをはじめました。
さて、「酵素」とはなんでしょう?
簡単にいえば、体内で食物を分解して、ビタミンやミネラルなどの
様々な栄養素を血液が吸収し易いように働いてくれる物質です。
私たちはこの「酵素」がなければ、せっかく身体にいいものを食べても、体内に吸収
されず、未消化のまま排出されます。しかし人間は酵素を自ら体内でつくることは出来
ないので、何らかの食品で外部から摂取する必要があるのです。
しかし、その大事な酵素は42度以上の熱で死滅します。ということは味噌汁には
酵素はない、しょうゆは加熱殺菌して商品化しているからこれも無理、漬物や納豆は
添加物だらけ、市販の大変高価な酵素ドリンクも90度の加熱が義務付けられているので、
ほんとに酵素があるのか?という疑問がごく自然と湧くわけです。
このような事情から、独自の酵素液を造る必要を感じ、数年前から造り
始めました。
よく「発酵食品を食べましょう」というのは、発酵食品=酵素がたくさん、つまり
酵素を摂りましょう、という意味も多分に含んでいるわけです。
そこで、私は自分が納得する酵素液を造るため(その理由は後述します)
?完全無農薬の梅、?しかも品種は最適種の「鴬宿梅」(おうしゅくばい)、
?摘み取るのは「酵母」がたくさん着いている雨上がりの翌翌朝、
という非現実的な厳しい条件を梅農家の方に相談・依頼して、何とか梅畑から
120kgの青梅を摘み取ることができました。

そして、これを早速、80リットルの漬物樽4つに振り分け、種子島の洗双糖と青梅を
サンドウィッチのように交互に重ね、仕込みました。
「酵母」がたっぷりついた朝採れの梅、しかも完全無農薬のものを仕込んだ満足感に
しばし浸りながら、これから約2週間、浸透圧の関係で梅の液汁がどんどん出てくるのを
待ちます。
ところで「酵母」とはなんでしょう? 「酵素」との違いは?
酵母とは、たとえば、ブドウやリンゴの表皮に白い粉のようなものが着いている、
あれを酵母といいます。単細胞生物で、酵母菌ともいわれ、発酵をさせる性質を
もっているのです。「酵素」は物質であって生物では無いので、文字通り「酵母」は
酵素の母、といえる存在です。
それでは、これから約2週間、酵素液の仕上がりを随時、レポートしていきます。
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2008年06月20日
森の幼稚園

ドイツにヴァルト・キンダー・ガルテン(森の幼稚園)というものがあります。
学校は自然豊かな森や川、しかも特定の敷地を持たず、園舎もなく、塀や
戸口もありません。
自然そのものを教育環境とし、その中での遊びを感覚訓練として、園児同士の
社会性発達を育む、そのような目的で150年以上前に創設されたものです。
日本では考えられられないのは、雨の日もカッパを着て、野外で遊ぶということ
です。なんといっても園舎がないのですから、一年の大部分を外で過ごすわけです。
このような幼稚園がドイツ、イタリア、デンマーク全体で300以上、あります。

そういった意味では、ここ塚原は私の家族にとってのヴァルト・キンダーガルテンです。
子供だけでなく私や妻にとっても、大地、木々、草、空気、水が教室であり、、自然の中
での様々な現象を直に体験し、創造性や感性を磨く絶好の場となっています。
この田んぼの水路の水は、山の山頂からの山水に途中から温泉水が加わり、
ぬるま湯のような温かさで、ここに到着します。そしてこの水田のスタート地点と
して流れ始め、最終地である約50km先の宇佐平野の田に使用されます。
この水は、ここから50km以内に住んでいる様々な人たちの生活、とりわけ大切な
食である・米作りに使われるもの。
見えないけれど、実はいろんなことが繋がっているんだと、田んぼや水は物語って
くれているようです。
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2008年06月16日
自己流農業

先日播いた種から芽が出て、美しい「水菜」に成長しつつあります。
水菜は私の大好物、今から収穫が楽しみです!
私たち人間は、外界からこの水菜のような有機化合物を取り入れなければ生きて
いけません。
この中に含まれる化学エネルギーをつかって生命を保っているのです。
一方、植物はニ酸化炭素などの無機物を光合成によって有機物に変えて生きる、
また微生物の働きを借りて、無機物を酸化し、そのときに出来る化学エネルギー
を利用する、この2種類の方法で生命を保っています。

これも先日播いた種から出来た「小松菜」です!若々しい薄緑、みずみずしさ、
見るからに美味しそうです。
有機物を必要とする生物と、生物が排出する二酸化炭素や排泄物、微生物を
必要とする植物、両者は循環関係で結ばれています。
このメカニズムを知ってしまった後では「私が育てた有機野菜です!」などと声高に
言えなくなってしまいました。植物の成育において、人間は主役ではないのです。
自然界にもともと備わっている機能の中に人間がわざわざ割り込んできて、
大汗かいて満足している様子が、現代の農業の実像なのかもしれません。
余計なことをしないように心掛けること、勘違いしなように、謙虚さを失わず、
それでいて楽しく。収穫の恩恵に預かれる身として少々の手伝いはさせていただく!
これが最近の畑の中での私の立場、です。
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2008年06月12日
天皇献上米

レストランの目の前の水田が、今年の天皇献上米に選定されました。
これは、農家の方の長年に渡る真摯な姿勢、そして米の美味しさと
安全性、更にはこの水田を取り囲む自然環境の素晴らしさ、この3つが
評価されたことだと思います。
これは自薦や他薦の類のものではないので、選ばれた御本人も晴天の霹靂(へきれき)
の様子でした。
このような高原の奥でも、やはり「見る人は見ている」ということだと、私は自身を
叱咤しました。

水田のすぐ隣は、牧場が広がっています。
まばゆい若草をのんびり食べる牛たちを見ると、心が和みます。
ここの時の流れは、人間の世界のそれとは異なる、動物たちの時間が
存在します。
牛のゆったりとした動きが心地良いのは、きっと牛がストレスを感じて
いない、真にリラックスしていることが伝わってくるからなのでしょう。
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2008年06月10日
「茶」について

6月初旬、この時期の楽しみは5月の「新茶」が製茶され、
若々しいお茶の香りと味を堪能できることです。
私は毎年、これだ!という自分の味覚に合ったお茶を造っている生産者・数名と
独自に契約をして、自分に嗜好に合ったお茶を確保させてもらってます。
残念なのは、市販のお茶は、さまざまなカラクリ・細工がほどこされていて、
その土地の純粋な風土が茶に反映されていない、玉石混合のモノが非常
に多いので、全く買う気になれないことです。

茶の神髄ともいうべき本を紹介します。
岡倉天心が1906年に書いた「茶の本」(岩波文庫)。茶をもって、東洋、
そして日本を語る、茶を超えた日本文明論ともいえる傑作です。
この本を読みながら茶を飲むと、茶が無農薬であるとか、産地がどこだとか、
そのような商業主義の道具に貶められた現代の「茶」に、私は大変申し訳ない
と詫びずにはいられない気持ちになります。
この本は、インドの詩人・タゴールとも親交が深かった知の巨人・天心の
独特の言い回しや比喩で綴られ、東洋人であることに、日本人である
ことに、茶の文化をもっていることに自然と感謝したくなる、私たちの源泉、
魂に触れる趣をもっています。
「考えてみれば、煎ずるところ人間享楽の茶碗は、いかにも狭いものでは
ないか、いかにも早く涙であふれるではないか、無辺を求る渇きのとまらぬ
あまり、一息に飲み干されるではないか」
「茶は純粋と都邪を崇拝すること、すなわち主客協力して、この浮世の姿
から無上の幸福を作り出す神聖な儀式を行う口実となった。茶室は寂寞たる
人世の荒野における沃地であった。そのすべて背後には微妙な哲理が潜ん
でいた。茶道は道教の仮りの姿であった。」
本文より
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2008年06月04日
基礎工事・開始

いよいよ店舗の建設工事が始まりました。
完成までには3ヵ月を要します。今はとにかく、梅雨が長引かないこと
を祈るばかりです。

この店舗を建てる上で、最も重視したことは極力、化学物質を
使わない、周囲の自然に調和した素材で建てる、ということでした。
素材は無垢の木をたくさん使うこと、壁は漆喰で仕上げること、
床の客席部分は土間、つまり土をニガリで固めていくこと、などを設計士
さんと相談して決めました。
限られた予算、そして原油高による建築材の
の高騰など、頭の痛いことばかりでしたが何とか工事に入ることが出来ました。
無垢の木や漆喰は日本の気候風土に合った素材といえます。例えば夏場の
湿気にも強く、涼しく、また冬の乾燥にも適応できます。これらは化学物質で出来た
集成材や合板、クロス張り、サイディングとは対極にある天然素材の建築材です。
化学物質過敏症の方や、シックハウスやアレルギーに悩まれている方が来ても
快適に過ごしていただけるのことが私の理想です。
長雨の中での自然素材の家の工事は本来、最も避けたいところなのですが、
仕方なくこの時期になってしまいました。今年は梅雨入りが極端に早いのですが、
これが吉と出ることを祈るばかりです。
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2008年06月02日